いのたまメンタルヘルス会議室/運営日誌
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[民族、宗教、言語、戦争と平和](2010/12/23(Thu.) 02:03)
ベラベッカ美味しいです。シュトーレンよりあっさりしてる。
Berawecka(ベラベッカ)、アルザス語はドイツ語の方言だから、wがvの発音になるのかな。

アルザスは、昔は神聖ローマ帝国(ほぼ今のドイツ)に所属していた。10都市から成る都市同盟があり、中心都市シュトラスブルグ(フランス語読み:ストラスブール)はライン都市同盟に加盟していた。南にはアルプスの峠、東はライン川左岸という交通の要所で、中世から栄えためにフランスの手が伸びた。

三十年戦争に介入したフランスは、1648年、アルザスを領土にした。アルザス人の多くはプロテスタント。1685年、ルイ14世はナントの勅令を廃止、フランス国内のプロテスタントの多くがイギリス、アメリカ、カナダ、南アなどに逃れた。アルザスから国外に出た人もいるが、現代までプロテスタントが多い。何か背景はあるはずだが、不明です。

ルイ16世はプロテスタントとユダヤ人に対する締めつけをゆるめた。18世紀末以降、アルザス出身者が活躍するようになる。徳川幕府のフランス軍事顧問で、映画『ラストサムライ』の主人公のモデルになったジュール・ブリュネはアルザスで生まれた。日本にいた頃の階級は大尉、後に少将まで出世する。

函館戦争の後、ブリュネは帰国して普仏戦争を戦った。
1871年、フランスに勝利したプロイセンはドイツ帝国となり、アルザスを併合した。アルザスは石炭や鉄鉱石の産地でもあり、ドイツ帝国は工業化を推進した。

第一次大戦では戦場になり、被害は甚大だった。つい最近まで知らなかったが、第一次大戦後、アルザス=ロレーヌ共和国として独立した。
もうフランスもドイツもいやだ、独立だ〜!
ところがフランスがざざ〜っと占領して、はい、ここフランスね、フランス語使えよ、小学校からフランス語ね、従えよ、と。

第二次大戦中、ナチスドイツ軍に侵攻されてドイツに編入。公用語は再びドイツ語になり、若い男たちはドイツ軍に徴兵された。そのためドイツの一部とみなされ、連合軍の砲撃を受けている。連合軍に破壊された町もある。

第二次大戦が終わり、またフランス領に。フランス政府は同化政策を推し進めた。教育だけでなく、子ども向けや若者向けの出版物はアルザス限定でもフランス語だけとか、反独感情をぶつけた感がある。
これは1999年まで続いた。

中心都市ストラスブールには。EU議会の議場がある。「ヨーロッパの平和はフランスとドイツの調和から」と、この場所が選ばれた。
EUの理念は素晴らしいが、私は何とも割り切れないものを感じる。


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