暗い闇の中に一人たっている
竹に覆われた高い竹でできた塀がある
素足が地面のひんやりした温度を感じとる
マーガレットが好き勝手に咲いている
私は随分長い間この中に一人っきりになった
気が付いた時は一人だった
気分がいいとワインで人をもてなしてみるけれど
居座るものはいないし
皆、心地悪そうにして騒音の中に逃げていく
私も何度か騒音の中を体験してみたけれど
此処ほどきもちのいい場所は他になかった
高い竹が私と外の世界をつなげていて、隔てている
此処は人に認められる必要もないし競う必要もない
持っているものを比べる必要もないし
何ができるのか話す必要もない
何を見てきたか何がよかったか悪かったか、
そういう事はここの門を入ると忘れる仕組みになっているんだ
大きな笑いは無いけれど深い悲しみも存在しない
朝は太陽がのぼり夜は星の隙間から月がみえる
スコールが時々襲ってきて乾いた地面を冷たくしてくれる
高い竹の塀で囲まれた空間
気が付くといつも私は此処にいる |
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