号泣するのも自浄作用があると思う。
でも、浮世にありすぎて、日常的に泣かされてるテーマのものは嫌い。よって「渡る世間は鬼ばかり」は見たことがない。
「モーリス」という映画は、いわゆるゲイの物語なんだけど、主人公の「愛する真剣、愛する深さ」にやっぱり泣いてしまった。彼の愛を「青年期の幻」と捕らえる元・恋人と、永遠のものと信じる彼の、どうしようもない温度差。
だけど、これだけ恋することが出来れば幸せかも・・・性差という究極の障壁をもってしても、抑えられなかった感情なのだから。
原作も、映画同様、良かった。
浮世離れしている点では、絶対的なものが宝塚歌劇。あり得ない世界だ。当然嘘っぱち、つくりもの、キワモノまがい。
でも、彼女達の鍛練の賜物、鍛えられたしなやかな若い肉体を存分に使って創り上げられる「おとぎの国」は、美しくて儚くて、この舞台のために10代の半ばからおおかた30代の半ばまでを投じる,その努力と研鑚には、いつも泣かされる。
おおかたの人からは理解してはもらえないだろうけれど。
「ゲイルズバーグの春を愛す」ジャック・フィニィも、泣けます。そのノスタルジアゆえに。 |
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